「花かつを」が出来るまで ~ 削り節工場を見学! ~

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    2021年6月3日(火)

     

    今日は、うちが削り節などの製造をお願いしている

    (株)カネタ星野さんにお邪魔して、

    削り節がどのように出来るのか見学させてもらいました!☆

     

    僕も削り節工場を見るのは初めてなのでワクワクです♪

    星野看板

     

    埼玉県戸田市にあるカネタ星野さんの鰹節削り工場です!

     

    ここでは、花かつおや厚削り、だしパックなど

     

    業務用から家庭用の製品まで様々な製品を製造していらっしゃいます!

     

    生産の多い時は、一日に1トンもの鰹節を削るというから驚きです😲😲😲

     

    中はどうなっているのでしょうか?

     

    さっそく行ってみましょう(^^)/

     

     

     

    と、その前に、

    まずは工場服に着替え、汚れを落としましょう!

    エアーシャワー

    このようにエアーシャワーを浴びて、

    外の埃などを吹き飛ばします。

     

    下はぺったんになっているので、靴底も綺麗になります。

    安心ですね😊

     

    ↓うちの社長(父)がエアーシャワーを浴びている動画ですが、見たい方はどうぞ(笑)

    (おじさんが風を浴びている動画です(笑))

     

     

    さて、

     

    準備が整ったところで、いよいよ工場に潜入です!

     

    まずは削り節が出来る工程を見ていきましょう!

    (^^)/

     

     

     

    洗い

     

    こちらは鰹節を洗いにかけている工程です!

     

    花かつお(削り節)になる鰹節は、ほとんどが荒節(あらぶし)と呼ばれる節になります。

     

    荒節は、カツオの下処理をしてから燻して水分を飛ばしていく「焙乾(ばいかん)」という方法で作られる節になります。

     

    さくらのチップなどを燃して燻し、程よく水分も抜けてうま味が増しているため、芳香豊かで美味しい削り節になります。

     

    また、本枯れ節に比べて水分量が多いため、カンナで削った時に粉になりにくく、綺麗な削りになることから、加工するのにも適しています。

     

    「花かつを」とは削ったときに綺麗な花びらのようになることから、その名がつけられています。

    ちょっとおしゃれなネーミングですよね😊

    かねさんの【特選】花かつを

     

     

     

    荒節は、燻した時に節の表面にタール(炭)が付きます。

     

    この炭が鰹節のあの「いい香り♡」の元になっているですが、

     

    苦みやえぐみにもなってしまうため、この工程で粗方洗い落とします。

     

    ちなみに、この機械は芋洗いの機械だそうですよ!

     

     

     

     

    ボイラー室

     

    ボイラー近く

     

    洗われた節はボイラー室で蒸される工程に入ります。

     

    ここで節を加水してあげることで、鰹節を削ったときにより綺麗な削り節にするためです。

     

    ここでの加水具合で、

    削り節が綺麗な「花びら」になるかどうかが左右されます。

     

    時間、温度、加水量。

     

    メーカーによっては加水しないところもあるみたいです。

     

    奥深いですね。

     

    ボイルが終わったら少し冷ましてから削っていきます。

     

     

     

    いよいよ削り機にかけられます!

     

    これはまるで、鰹節の立体駐車場や〜〜!!\(^o^)/

     

    (笑)

     

     

    削られた節はベルトコンベアーで隣の袋詰めの部屋に運ばれていきます。

     

    ちゃんと綺麗な花びらになってますね♪

     

     

    これはまるで、鰹節のナイアガラや〜〜!!\(^o^)/

    ←もういいって(笑)

     

     

     

     

     

    社長の息子さんが機械のフタを取って中を見せてくれました!

     

    このように、回転する歯に節が押し当てられていくことで、削り節になるんですね〜(*^^*)

    (んん〜ずっと見ていられる。。)

     

    厚削り機

    歯はこんな風になっています。

     

    削り機裏

    うら側はこんな感じ。

    (なにか他のものを削ってみたいと思ってしまうのは私だけだろうか。。)

     

     

     

     

    糸削り機の歯

     

    息子さんが特別に糸削り用の歯を見せてくれました!

     

    凄いです。僕も初めて見ました。(笑)

     

    一本の歯の中にいくつもの溝が切ってあって、それがあの細かい糸状の節を作るんですね〜😲😲

    糸がき

    かねさんの糸がき

     

     

    ちなみに糸削りはカツオではなくマグロを使います。いわゆるマグロ節ですね。

     

     

    なぜマグロを使うのかと言えば、、

     

    実は僕もはっきりとは分からないのですが😅、たぶん色の違いだと思います。

     

    味も、カツオの節に比べて若干甘味が強いです。

     

    糸削り(糸がき)は、和食の飾りとして用いられることが多いので、その色合いからマグロ節が好まれるんだと思います。

    マグロ糸削りとカツオ糸削りの違い

    抜粋 和食の旨み https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/itokezuri#3

     

     

     

    削り節の袋詰め作業

     

    袋詰めは手作業なんですね!

     

    削り節が出てくるダクトにはマグネットが仕込まれていて、

    金属などの異物が混入しないようになっているそうです(^^)

     

     

     

    袋の窒素充填

     

    袋詰めしたら、酸化防止の為に空気抜きと窒素充填を行います。

     

    これ一袋で何グラムあると思います??

     

    正解は500g!

     

    「意外と少ない」と思うかもしれませんが、

     

    削り節はかさばるため、袋が大きくなりがちです😅

     

     

     

     

    厚削りを作る

     

    こちらは厚削りを作っています。

     

    これは、鯖(サバ)節ですね。

     

    鯖節は、お蕎麦屋さんでそばつゆを作る時によく使います。

     

    一般家庭では使うことはほぼないと思うので、ちょっと珍しいですよね(^^)/

     

    厚削りは先ほどの削り節(薄削り)に比べて厚く削るので(おおよそ0.8〜1.0mm)、水分は少ない方が削りやすいです。

     

     

    ですので、ここではボイル(加水)された節を遠赤外線で熱して、水分を飛ばしています。

     


    遠赤外線の機械の設定温度は340度!!

    この部屋、めっっちゃ暑いです(笑)💦

     

    ここで働く人は大変だ〜〜💦

     

    出てきた節もまだアッツアツです!厚削りだけに!

    (つまらないこと言ってないで、早く次の部屋に行きましょう。)

     

     

     

     

    厚削りの削り機

     

    熱された節はベルトコンベヤーで運ばれて、厚削り専用の削り機にかけられます。

     

    こちらも一本一本丁寧に削られていきます。

     

     

     

    厚削りの冷却

     

    削られた厚削りは、風を当てて冷却され、その後袋詰めにしていきます。

     

     

     

    厚削りの窒素充填

     

    こちらも先ほどと同様に空気抜き&窒素充填していきます。

     

    窒素は、空気(酸素)による鰹節の酸化を防いでくれる役目があります(^^)/

     

     

     

    そして、注目してほしいのは、袋詰めされている従業員さんの手つき✋!

     

    袋に詰める際に、節の側面が袋の表に見えるように詰めているんです!!

     

    こうすることで見た目が整って見えるので、お客さんからの受けが良くなります。

     

    こういった小さなひと手間が売り上げと信頼につながっているんですね😊

     

     

     

     

     

    次はだしパックの製造工程を見てみましょう!(^^♪

     

    ミキサー室

     

    だしパックの中身である「だし粉」をミックスするためのミキサー室です。

     

    ここでは星野社長自らがお出迎え❣

     

    思わずおふたりをツーショット♡

     

    味付きのだしパックや味を付けないだしパックなど、節のバランス、味付けのバランスは社長自身が現場に入って監督されているそうです!😲😲

     

     

    ミキサー内部

     

    ミキサーの中はこんな風になっています。

     

    黒っぽいのが味付きのだし粉。そうでないのが何も味をつけていないもの。

     

    これらを絶妙なバランスでミックスすることで、だしパックを作っているそうです。

     

     

    ミックスされた粉

     

    使っているだし粉は、さっき見た削り節を削った際に出る粉や破片を粉砕機にかけて均一な大きさに砕いたものが使われます。

     

    鰹節って無駄がどこにもないので、ほんとうに有り難い食材ですね😊♪

     

     

     

     

     

     

     

    業務用の大きいだしパックを袋詰めしている様子です。

     

    こちらは一袋100gだそうです。

     

     

     

    こちらは家庭用のだしパック。こちらは一袋10g。

     

    んん〜これもずっと見ていられる。。(笑)

     

    最後は手作業で袋詰めされていますね。

     

    ほんと、スタッフの皆さんはよく働いていらっしゃいます。

     

     

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    【まとめ】

    全ての見学が終了しました!

     

    いや〜とても素晴らしい設備の工場でしたし、なによりスタッフの皆様が勤勉で、ほとんどの工程で一機械に一人が担当されていることから、お一人それぞれの熟練度を計り知ることができました。

     

    我々もとても勉強になりましたし、今後の商品開発や構想展開を考える上でも非常に参考になりました。

     

    この機会を与えてくださった星野社長と息子さん、スタッフの皆様に感謝です!☆☆

     

    今回お邪魔させて頂いたカネタ星野さま

    http://www.kanetahoshino.co.jp/

     

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    みなさんいかがだったでしょうか?(^^)/

     

    削り節って、ただ鰹節を削っているだけかと思えば、意外とそうでもないんですね。

     

    その為の下準備だったり、管理だったり、工夫だったり。

     

    実はいろんな工程を経て、皆さまのご家庭に届いているんです😊

     

    またいろんな工場を見学に行ってみようと思います!

     

     

     

    かねさん湯浅商店が(株)カネタ星野さんにお願いしている「糸がき」(糸削り節)はこちらでご購入いただけます。

    ↓↓↓↓↓↓

    https://yuasasyouten.com/?pid=142479055

    かねさんの糸がき

     

     

    他にも、鹿児島産の良質な荒節を

    我が社独自の工夫でうま味成分を高めた「厳選熟成鰹節」を使用した

    『【特選】花かつを』もぜひチェックしてみてください(^^)/

    ↓↓↓↓↓↓

    https://yuasasyouten.com/?pid=137028740

     


    🐟東京鰹節センター🐟初槍に行ってきました!

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      2021年1月7日(木) 快晴

      東京は晴海に在ります「東京鰹節類卸商業協同組合」の初槍に行ってきました!

      初槍(はつやり)とは、鰹節組合ではその年最初に行われる競売(セリ)の事をそう呼びます。

      セリ自体は毎月数回行われますが、やはり年初めの初槍が参加者が最も多く、競争も激しいため、一年の中で最も盛り上がります。

      問屋同士のセリですから、一般の方が介入することはありません。

      今日は、そんな鰹節問屋の初槍を少しご紹介していこうと思います♪

       

      東京鰹節センター

      ここが東京都中央区晴海に在る🐟東京鰹節センター🐟

      東京鰹節市場の本拠地です。

      築地場外市場まで車で5分という好立地で、全国で最も大きい鰹節市場です。

       

      この施設では、50を超える会社事務所とその管理倉庫、セリなどの市場を行う大会場、駐車場、店舗などが完備されています。

      築60年を超える建物なので、周りのオシャレなビルと比べるとちょっと古いですが(笑)

      何百トンもの鰹節を貯蔵できる大施設ですので、造りはとっても頑丈です!!

       

       

      階段を上るとまず目に入ってくるのは、今回の舞台「初槍」の大会場です!

      青いプレートに入っているのは、全国から集まった鰹節の見本たちです。(゜o゜)(圧巻...)

      どれも同じように見えますが、プレート一つ一つがすべて違う種類や熟成度の鰹節たちです!(すごっ)

       

      鰹節の上に置かれている紙には、セリに必要な情報が書かれています!

      一個当たりのグラム、品質、節の状態や魚の種類(時には捕れた地域など)、生産者の屋号、出品者の屋号、、、などなど。

      これらの情報を元に、購入側はおおよそ自分が欲しい節の見当をつけます。

       

      ところで、「節」といっても、その種類は何十もあるってご存じでしたか?

      「かつお節」というのは、あくまでカツオを材料とした「節」の事で、他にもマグロやサバなどがあるんです。

      かつお節の種類については、また後日詳しく書きますね!(^^)/

       

       

      セリ場には参加している企業の札がズラリと並んでいます!

      うちの屋号も、ちゃんとありますよ♪

      湯浅商店は「曲尺(かねじゃく)」に漢数字の「三(さん)」なので「かねさん」といいます。

      他にも山のしたに「サ」を書いて「ヤマサ」さんだったり、

      「〇(まる)」の中に「イ」を書いて「マルイ」さんだったり、、

      会社の数ほど、屋号も多種多様です!(^▽^)/

       

      屋号はその由来や歴史は様々ですが、トレードマークのようでもあり、会社同士が一目でコミュニケーションが取れる暗号のようだったり、どんな屋号があるのか見ているだけでも面白いですね(^^♪

       

      (うちはなぜ「かねさん」なのか??それはまた機会があればお話ししますね!)

       

       

       

      いよいよセリが始まりました!

      ↑手前の迷彩ジャケットがうちの社長です(笑)

       

      番台に立つ人が販売者で、見本が次々と流れてきます。

      購入側はそれぞれ入札札を持ち、えんぴつで金額や屋号を書いて番台に渡します。

      「僕も入札してます!」風な写真を撮ってみました!(やりたかっただけ(笑))

       

       

      入札の様子です。

       

      このようにしてどんどん入札が進んでいきます。

      入札単価は数百円〜数千円単位ですが、買う量が大きいので、少しかっただけでも数百万円は軽く超えちゃいます。(汗)

       

      みなさん品物を手で触ったり、時にはにおいを嗅いだりしていますが、そうすることで品物の質を確かめているんです!

       

      実は、鰹節の質は魚に含まれる脂の質と量に大きく関係しています!

      脂が少なすぎてもいけないし、多すぎても雑味が多くてあまり美味しくない節になってしまうんです。

      もし魚の脂が多ければ、それだけ節が柔らかくなります。

       

      ですので、みなさんああして節を触って、その硬さを確かめることで節の品質を見極めているんです!

       

       

       

      このようにして今年初めての入札会(初槍)は、4時間ほどで終了しました。

      恒例では、この後新年会→別会場で親睦会と続くのですが、今年はコロナでそれも自粛に。(いつも美味しいお寿司が出てくるのに残念。。(笑))

       

      コロナ終息を祈願しつつ、感慨深く迎えた初槍でした!

       

       

       

      最後までお読みいただきありがとうございます(^^)/

      またお会いしましょう!


      なぜ白だしを作ることになったのか

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        元々は、鰹節の卸・問屋でした。

        私たち問屋のお客様といいますのは、主にお蕎麦屋さんなどの店舗様がメインで、鰹節を仕入れて、お店に卸す(販売する)というのを長年やってきました。

        ですので、我々問屋が一般のお客様の目に触れるというのはあまりないかも知れません。

         

        昔は私たちの地元北区滝野川の商店街沿いにも店舗を構え、私の祖母が店頭に立ち、一般のお客様にも鰹節を販売してました。

        いわゆる「町のかつお節屋さん」といった感じですね。

        かた〜い一本の鰹節を、その場で削り機という専用の機械で削って、削りたての鰹節を袋に詰めて販売していました。

        私かつおくんも、子供ながらにお店を手伝ったのをよく覚えています。

        (全身かつおぶしの粉だらけになったっけ😅)

         

        現在は祖母も高齢となりお店に立てなくなってしまったので、店舗での小売りはしていませんが、倉庫として活用していますので、毎朝お店で鰹節を車に積んでは配達に行っていますよ!

         

        余談ですが、

        東京には全国で一番大きい鰹節の市場「東京鰹節類商業協同組合」という団体が中央区晴海にありまして、湯浅商店ももちろん加盟しております。

        私の父(3代目)が鰹節屋を継いだ頃は、鰹節業界の最盛期だったと聞いています。

        どうやらその時代(1980〜90年代)が、お蕎麦屋さんも全国にたくさんできたんだそうです。

        (蕎麦屋だけでなく、この頃は日本全体も高度経済成長でしたよね。)

        昔は100以上もの問屋が組合に名を連ね、血気盛んに市場がまわっていたそうです。

        いまは60ほどの会社が加盟しておりますので、数はかつての半分ほどになってしまいましたが、みなさん業界を盛り上げようと頑張っていらっしゃいます!

        我々も負けてはいられません!!

         

         

        なぜ湯浅商店が白だしを作るに至ったかをお話するまえに、まずはその社会的背景からお話させてください😊

         

        昨今、日本の伝統文化は世界でも大きく注目されています。

        着物、和食(伝統的な日本の食文化)、日本の心と精神。。

         

        和食の基本といえば、「だし」。

        だしの基本となるのが、何と言っても「かつお節」と「昆布」。

        今やその美味しさと味の奥ゆかしさは「旨味(UMAMI)」として知られ、海外で広がる和食ブームの中、ヨーロッパでもかつお節の注目が高まっています。

        2017年9月9日(土)放送 NHKけさのクローズアップ

        2017年9月9日(土)放送 NHKけさのクローズアップ

         

         

        実は、2016年にフランスにかつお節工場が誕生しました。

        東南アジアで生産拠点を持つ鰹節企業は数社ありますが、フランスは初めてで、鰹節業界でも大いにニュースになりました。

        「日本の本当のかつお節を食べてもらいたい。」そんな想いから始まったであろうヨーロッパでのかつお節事業ですが、そこには大きな壁がありました。

        実は、そこで提供されている鰹節は、本国日本で生産されている鰹節とは製法が大きく異なったものなのです。

        その工場や事業自体を否定も批判もするつもりはありませんが、なぜ異なるのかには理由があります。

        それは、鰹節に含まれる成分の問題だったのです。

         

         

        EU=ヨーロッパ連合への輸出に立ちはだかっている規制の1つが、国際的な衛生管理の基準「HACCP(ハサップ)」です。

        HACCPは製造工程で異物の混入や食中毒などを防ぐため、厳しい基準を設けています。

        鰹節は獲ったカツオをさくらのチップなどで燻し、乾燥させることで作られます。

        (本枯れなどの高級品はそこからさらにカビ付け、天日干しを何度も繰り返し、約1年の歳月を経て出荷されます。)

        カツオを燻したとき、表面にタールや焦げのようなものが付着しますが、その焦げに含まれる「ベンゾピレン」という成分がEUの基準(HACCP)を越えるため、現在でも国産の鰹節はEU輸出禁止となっているのです。

         

        また、本枯れ節などの高級な鰹節は、味噌や醤油と同じ類の麹菌を散布・繁殖させ(この工程を「カビ付け」といいます。)、言わば発酵状態にすることによって、世界に類を見ないあの独特で豊かな風味と香りを出し、カツオに含まれる旨味を凝縮させるのですが、そのカビによるカビ毒を危惧しているという見解もあります。

        ↓田中淳夫氏による記事を参照

        https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20141221-00041692/

         

        そこでフランスの工場では、カツオの切り身にタール(焦げ)が付着しない方法で燻製・乾燥を行う鰹節の製法を開発し、ベンゾピレンが検出されない“KATSUOBUSHI”を提供しているそうです。

         

         

        さて、HACCPの基準をクリアし、本場日本の鰹節をヨーロッパで提供できるようになったのは良いのですが、

        我々日本人として気になるのは、やはり肝心の「お味のほどは如何に」ですよね。

         

        本国日本で作られる本枯れ節は、カツオ漁に始まり、工場で加工され、日本古来の伝統的な技法と熟練の職人によって1年以上もの歳月の中で品質の管理・発酵・熟成が行われて、あの磨きのかかった美しい“鰹節”となります。

        それに比べ、フランスの工場で作られる鰹節はそのような長い熟成やましてやカビ付けを行わないということなので、やはり「お味」は異なるものとなるでしょう。。

        実は、僕もまだフランスの鰹節を食べたことがないので、味に関しては何とも言えないのですが😅

        機会があればぜひ食べてみたいです!!

         

         

         

        白だしを作り、イタリアに輸出?

        日本の”だし”や食文化がヨーロッパで多くの関心を集めているお話はしました。

        ここでは、なぜ白だしを作るに至ったかの経緯をお話します。

         

        湯浅商店もヨーロッパや海外での鰹節や日本食への関心の高まりと可能な限り本物を求める声は聴いておりましたので、そこに自分たちも参入できたらいいなとは考えていました。

        しかし、やはり言葉の壁や輸出入の規制も厳しく、そこには多額の資金やコネクションも必要なことから、我々中小には厳しいかなと考えてました。

        そこへある時、私の従姉妹にあたる人物(父の姪にあたります)から父に連絡がありまして、「イタリアで湯浅さんの鰹節を販売してみたらどうか」というお話でした。

        なぜイタリアかと言いますと、その従姉はイタリアの帰国子女で、その当時はイタリア食材(トマトソースやパスタなど)の輸出入の仕事をしていました。

         

        イタリア、ヨーロッパでの日本食への関心が高いこと。従姉はそのコネクションを持っており、輸出入も慣れていること。

        そういった条件がそろったならば、チャレンジしない手はありません。

        それならば、うちもやってみよう!

        それが2017年のときでした。

         

        しかしながら、先ほども言った通り、EUでは国産の鰹節はNGということです✖

        ではどうしようかという話になり、まずは実際に鰹節の輸出をされている鰹節業界大手の会社の部長さんにお話しを聞いてみました。

        すると、やはり国内製造した鰹節や削り節は輸出していないとのことでしたが、だしやそばつゆなどの液体は輸出しているとのことです!

        よくよくお話を伺ってみますと、HACCPにおいて問題視されているベンゾピレンは、鰹節で取った出汁などには含まれない(基準範囲を越えない)とのことで、後ほど調べてみたら、確かに加熱処理すれば基準範囲内で検出されないということが分かりました。

         

        よし!これならいける!

        「うちは本物を作りたいから、本物のだしを作ってヨーロッパに持っていこう!」

         

         

        この発想が、後の 白だし”旨味(UMAMI)”へと繋がります。

         

        ここでまた余談ですが、そもそも「白だし」とはなんでしょう?

        簡単にご説明しますと、

        白だしとは、鰹節や宗田節、煮干しやアゴ、昆布やしいたけなどの出汁を煮詰め、濃縮し、そこに醤油や塩、砂糖などで味を加え調整しただし調味料のことです。

         

         

         

        天然素材だけで作られた白だしの誕生

        発想から約1年の開発期間を経た2018年4月、ようやく完成したのが白だし”旨味(UMAMI)”です。

        白だし旨味

        EUの基準(HACCP)を通るよう設計したため、化学調味料・食品添加物・合成保存料等は一切使用しておりません。

         

        そして、この商品のもう一つの特徴は、イタリア人の食文化を考慮した結果、甘味となる「みりん」や「砂糖」は使用していないということ。

        使用している原料は、「鰹節、宗田節、昆布、醤油、料理酒、塩」だけです。

        他にはなにもいれていません。

         

        なぜ甘味を入れなかったかと言いますと、これは商品開発の際に協力いただいたフードコーディネーターのジャコモ・マッジャーロ氏によるアドバイスによるものでした。

        どうやらイタリア人のご家庭では、料理に砂糖などの甘味を入れるというのは、あまり好まれるものではないのだそうです。

        エスプレッソに砂糖や、デザートは別ですが、日本人の肉じゃがやカレイの煮つけのように甘いおかずを作ることはないんだそうです。

        そこで今回の白だしには甘味を一切排除し、あくまでだし本来の旨味を味わってほしいという想いを込めて”旨味(UMAMI)”と名付けました。

         

        左:ジャコモ・マッジャーロ氏、中央:四代目湯浅一正、右:三代目湯浅勇

        (都内蕎麦屋にて撮影)

         

         

        天然素材だけにこだわった湯浅商店の白だし“旨味”。

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        ※2021年1月7日更新

        ↑こちらの商品は全面リニューアルにつき、現在製造販売を終了しております。

         

         

        白だし”旨味(UMAMI)”から、さらに1年の再開発により、よりパワーアップして帰ってきたかねさんの白だしをぜひチャックしてください!

         

         

         


        湯浅商店のかつお節(湯浅商店の在り方)

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          1920年創業以来、湯浅商店は鰹節の卸・問屋でありました。

           

          お客さんの90%以上はお蕎麦屋さんで、鰹節や昆布などの生産者(メーカー)から品物を買い、お蕎麦屋さんなどに自分とこの利益を乗っけて提供する。やっていることはごく単純に思われるかも知れませんが、これがまたそう「簡単に」とはいきません。

           

          一般の方からよく誤解されるのは、うちは鰹節問屋ではあるが、鰹節を作っている(製造)わけではありません。

          小売りをする場合は、滝野川の商店街の一角に店舗がありましたから、自分とこで鰹節を削って、それを袋に詰めたりして一般の方々にお売りしていました。

          要するに、町の“かつお節屋さん”として通っていたわけです。

           


           

           

          問屋の仕事とは、生産者(商品を製造販売する側)と事業者(一般消費者向けにサービス等を提供する側)の間に立って、品物を流通させることですが、ただ品物を安く買って高く売るというだけでは、もちろん成り立ちません。

           

          ひとくちに「かつおぶし」をいっても、

          種類や産地、どの時期に作られたか、魚質(鰹節としての魚の質をそう呼ぶ。)によって、味も香りもその使い方も大きく異なります。

          カツオ、宗田ガツオ、サバ、アジ、マグロ。

          魚を加工し、燻製・乾燥を何度も繰り返すことによってその魚体が持つ旨味を凝縮し、豊かな芳香を添加させて作られる「節」と呼ばれる食材になるのは、大きく分けてもこれだけの魚種があります。

          他にも、煮干し(カタクチイワシ)、あご(トビウオ)、昆布、しいたけなど「だし屋」として問屋が扱う商材は実に多種多様です。

           

           

          そんなだし屋として、我々はお客さん(お蕎麦屋さん)に何が提供できるか?

          まずそれは、お客さんが求める味・風味に最も近い品物(鰹節に限らず)を提案することです。

          その為にはまず、こちら側の人間が徹底的に「節」の「味」を理解していないといけません。これが大前提です。

          は、鰹節問屋には最低でも2つの要素がないと、商売は成り立たないと考えています。

           

          その2つの要素とは、

          『職人』『商売人』気質です。

           

          ●「味」を正確に理解し、その活用を知り、お客様に説明し提案する『職人』としての能力。

          ●お客様のニーズにお応えしつつ、我々の利益も守り存続してゆく『商売人』としてのバランス感覚。

           

          これらどちらかが欠けても、鰹節屋としての商売は成立できません。

          そして、大前提として、我々が提供する品物を含めた”サービス”によってお客様に喜んでもらうことこそが「商い(あきない)」というものです。

           


           

          2018年9月からは、湯浅商店として初めてのプライベートブランド商品『鰹節屋の白だし”旨味”』も発売し、11月からはオンラインネットショップも運営し始め、問屋改めメーカーとしてもスタートした湯浅商店ですが、これからは広く一般大衆向けの『小売とサービス』という視点も加えて運営してゆかねばなりません。

           

          もうすぐ創業100年を迎える湯浅商店の歴史と伝統に相応しい在り方でいられるよう、これからも精進邁進してゆきたいと思います。

           

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          鰹節問屋 湯浅商店の今昔

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            鰹節卸問屋の湯浅商店は1920年創業の長きに渡り皆様に親しまれ、愛されてきました。

            家業として代々受け継がれてきたその歴史を少し振り返ってみましょう。

             

             

            1920年、初代 湯浅萬一 が鰹節問屋湯浅商店を浅草に開業する。

            (約3年後の1923年二代目湯浅裕二が生まれ、裕二は浅草の土地で育ったためか偉く江戸っ子気質であり、能と歌舞伎が大好きだった。)

             

            その後、現在の文京区千石(旧 駕籠町(かごまち))に店舗を移す。

            1950年頃、文京区旧駕籠町(現 千石三丁目)。創業当時は高松屋と名乗っていた。

            中央左側:初代 湯浅萬一、その左隣:二代目 湯浅裕二、左端:萬一の妻 静(しず)

            他:当時の従業員

             

            1952年、二代目 裕二が独立し、荒川区町屋にて店舗を持つが、資金繰りが上手くいかず、当時はまだ“乾物屋”であった。

             

            1955年、北区滝野川に現在の店舗を持ち、晴れて鰹節問屋として開業する。

            (同時に三代目 勇が生まれる。)

             

            1976年、三代目 勇が21歳の時に鰹節屋を継ぎ、勇はその後4年間で湯浅商店の売上を4倍にまで引き上げた。

            (当時、鰹節業界の全盛期であった。)

             

            そして、2017年9月に四代目 一正(かずまさ)と共に『鰹節屋の白だし“旨味”』の開発を始める。

            都内蕎麦屋にて。

            左:イタリアのビジネスパートナー ジャコモ・マッジャーロ氏

            中央:四代目 湯浅一正

            右:三代目 湯浅勇

            2018年9月に『鰹節屋の白だし“旨味”』を発売。

            同年11月にネットショップをオープンし、現在に至る

             


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